© 2020 SumidaMukojimaEXPO
墨田区向島には、長屋、町工場、路地、軒先園芸など、ヒューマンスケールから形成された独自の原風景都市が色濃く残っている。東京の東エリアに密集する都市の原風景を、明治初期に一時存在した東亰(トウケイ)と呼ばれた幻の東京と重ねながら撮影したのが〈東亰世界〉である。
東亰プロジェクトは中里和人が企画構成を手がけ、東京造形大学と大学院で写真を学ぶ有志参加者と社会人の写真家総勢14名で、町の記憶と記録を発掘することを目指し、〈東亰世界〉に連なる写真展、インスタレーション、関連イベントを開催する。会場となるのは、八広(ヤヒロ)舟原公園前にある元建具屋「竹内建具製作所」。
展示概要は、ガレージと2階作業所で、合同写真展と雨水インスタレーション。キッチンは、古いレシピをモチーフにした写真インスタレーション。中庭では、建築家遠藤清の防災をテーマにした「消化器小屋茶室」が建ち、華道家上野雄次による花生け「東亰ノ光」パフォーマンス。建具工場は、製作所に置かれていた物を幻灯機で撮影した中里和人の新作「幻燈工場」と「東亰」写真展。2階の住居は、向島を88枚の絵ハガキにした展示と雨水映像インスタレーションが展開される。
向島の町のランドスケープと工場内の記憶の空気感が醸成され、向島原風景=東亰が体感できる〈東京原風景ミュージアム〉を出現させ、東京の景観遺産を社会に広く発進させていきたい。
東亰プロジェクトチーム:邢越豪 高世蒋 胡元慶 田潔 陳一琳 聶澤文 馬天航 方健威 牧野雄気 山田 龍 兪姍含 遠藤清 上野雄次 王澤鈴 緒賀道夫 保科宗玄 中里和人 協力:伊藤美樹、馮馳、水田典寿
場所:八広の元建具屋
墨田区向島に残る、東京の原風景の特性を、明治期の幻の東京=東亰(トウケイ)と呼ぶ。元建具屋の工場、ガレージ、事務所に写真を配置し、この空気感を再生させ、〈東亰原風景ミュージアム〉を出現させる。