後藤 大輝

代表

今年で、3年目となる本展覧会のはじまりは2020年・コロナ渦に突入した緊急事態宣言中に開催を決起しました。不確実で指針が見えない日常の中、なぜ、1ヶ月間という街中の博覧会が実施できたのでしょうか。不確定ばかりの状況の中、すみだ向島地域に思いを向けて集まってくれた人たちがいたからです。

2年目の昨年も、会期直前まで緊急事態宣言下でしたが、緊急事態でも開催可能な対策を行い開催に臨みました。一緒に活動してくれる人が更に集まり、思いもよらぬ奇跡的な出来事や作品が現れることに胸を打たれる日々でした。僕の様に、つらいことや塞ぎたくなる現実が多くあったとしても、同じ日常の街の中なのに、この世界では、思いがけない面白いことや、気づかない可能性が、こんなにもあるのだ。という見方を得れます。大袈裟でなく、その瞬間から自分の生きるスタンスが変わるのだと思います。

この街には、普段の暮らしにも、そう感じる気づきが沢山あります。自分の常識や認識にないことと出会うことはショックなので負担にもなり得ますが、この街で出会うことだから、受け入れたいと思える。この街の文化に習いたい、そういう感覚が自分自身に生まれることが不思議でもいます。

元々、その地域のEXPO(博覧会)とは、地域の今を展示して未来の姿を示す取り組みです。永く続く文化に気付き、新しい文化の芽を育てる大きな機会です。一年の歳月にも関わらず急速に変化して失われる地域の姿にも目を向けつつ、もう出会えないと思うような奇跡の様な現実が、まだ日常に続いていることも−
このEXPOを通じて、地域の古くて新しい様々な可能性に、みんなで脚光を当てていきます。