アーティスト

膜 / Envelop

Saiki Ayane@三軒長屋旧邸2階

布と糸による作品を中心としたインスタレーション(空間構成作品)。
空間を包む布は、針を指し糸を通すという行為をひたすらに繰り返したもの。その表面に生じた陰影や糸の緊張と緩和、辺りにゆらめく光は、作者の奥深くで起こっている事柄である。
本展示は作者の限りなく個人的な作品が、すみだのまちに生まれ、すみだの時間を生きることで、初めて他者と関係する。
鑑賞者は空間に立ち入ることで作者との対話、自分自身との対話を試みてほしい。

2000年生まれ。2023年3月に共立女子大学文芸学部文芸学科造形芸術コースを卒業し、同年表現者として活動を開始。
夢の中では発語せずとも他者との会話が成立しているという発見から、言葉を介さず身体を介し、意識の領域で他者と繋がることを求め制作している。主な作品として、布に糸を通す行為を繰り返した作品や、大きな画面に小さなうねりを描き続ける『軌跡』シリーズなど、身体的行為の記録とそこからにじみ出る精神性を表す作品がある。