様々な表現方法を使い、社会に埋もれている矛盾を浮き彫りにしているアーティストです。 僕の好きな作品は、自身がキャラクターになり社会の風刺表現をする作品です。 昨年の「向島ＥＸＰＯ」ではホームレスの人などが寝られないように改良された公園のベンチで寝転ぶ事ができるベッドを会期中作り続けました。 タノタイガさんのユーモアのあるイタズラには、まちの中で起きているオカシイことに気付かされます。 今年は、僕達をヒヤヒヤ、ワクワクさせて欲しいです。 芸術監督 ヒロセガイより

タノタイガ 　

ロンドン在住の、映像作品を中心にインスタレーションをつくるアーティストです。 国内外の美術館や芸術祭などで大規模な展覧会で活躍しています。 僕が見るさわさんは、闇の部分をもっていて、その闇は真っ黒ではなく多彩でユーモアがあり、そこから不気味でコミカル、静かな迫力ある作品がうまれるのです。 今回は、「向島EXPO」のスタート地点である京島の大きな古民家「京島駅（元米屋）」で、僕とともに不思議な体験ができる場をつくります。 芸術監督 ヒロセガイより<a href="https://sumidaexpo.com/2021/magazine/funa-asobi" target="_blank" rel="noopener noreferrer">作品「舟遊び」についての情報はこちら</a> <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/47ea73b031e340608b55a1226b340e4d/888a5879ec004bd2a579902603a3a240/logo_master50rgb.jpg?w=100&amp;h=100" alt=""> <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/47ea73b031e340608b55a1226b340e4d/ce65d5deed6d4b93b2f4d66d458aba61/1_%E5%9F%BA%E6%9C%AC%EF%BC%88%E7%B8%A6%EF%BC%89.jpg?w=100&amp;h=154" alt="">※本作品は、「<a href="https://sumiyume.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">隅田川森羅万象墨に夢</a>」プロジェクト企画 参加作品です。

さわひらき

スケートボードやグラフィティ等、ストリートカルチャーをキュレーションし、美術館や街中のアートプロジェクトを企画しているユニットです。 　 2017年、石巻の芸術祭の会場の洞窟で、コウモリが飛び交い、水と岩の破片が降っている中、一緒に徹夜作業したのが僕と彼らとの出会いです。メンバーはジャンゴ、トーリー、ディエゴの３人。 向島EXPOの会場のある京島商店街には、以前より企画にかかわるシャッターの壁画が沢山あります。今回のEXPOでも彼らの持ち味であるリサーチによって、まちの仕組みにイタズラをして、アート的な表現を共生させてもらいたいと思っています。 芸術監督 ヒロセガイより

SIDE CORE

演劇、ダンスを背景にする4人のパフォーマンスプロジェクトです。昨年のすみだ向島エキスポで僕も同じ会場に居たので、仲良くなれました。 彼女たちが行っていたのは、受付で、1人ずつ、ランダムに選ばれたシナリオを渡された観客が、舞台である2階に上がり、部屋の真ん中にあるマイクに向かってシナリオを朗読するというプロジェクトで、その部屋には、それまでに他の観客が録音したカセットテープが積み重なっていて、聞くことができました。 シナリオには、あらかじめ取材をしたコロナ禍のエピソードが書かれていて、観客は1人の語り手となり、同時にその前の語り手の聞き手ともなるという仕組み。そして、受付に居たのが居間theaterのメンバーたちでした。 今年の「居間」は居酒屋です。酒場で集い賑やかにする事は長く遠慮してきましたね。ご無沙汰してます！　 芸術監督 ヒロセガイより

居間 theater

元彫刻家で、現在は特殊照明作家と称して様々なジャンルとコラボレーションワークをしています。 僕が学生の頃、大阪の繁華街で開催されていた、キリンコンテンポラリーアワードの受賞者で、大きな鉄の彫刻や、光を用いた作品には圧倒されました。 特に昭和の世代で植えつけられている未知の世界、宇宙やSF映画などを連想させる作品は、美術の枠に留まらない科学や工学的な魅力があり、日本のアートシーンの特徴でもあったと思います。 そして、近年の活動のコラボレーションワークは、僕の生き方にも似ていて、今回、憧れの市川さんに光の演出をしてもらえることを楽しみにしています。 芸術監督 ヒロセガイより

市川平

写真、映像、イラストを使った作品をつくるアーティストです。彼の一番有名な作品である巨大な猫や、いろんな動物のキャラクターのグッズも人気があります。 可愛いと写真を撮った方、買ってしまった方、騙されないでください。それは彼が、あなた達を観測している作品の仕掛けかもしれません。 人は衝動と行為や時間と行為が記録されることにより、錯覚や勘違いをおこします。彼のイタズラにより、苦労して撮影した事で一番大切な衝動を忘れていませんか？ 他にも、時間や重さの先入概念によって彼の思惑に引っかかり、その反応で作品の出演者となってしまったり。 この秋、すみだ向島の下町の中、僕達が気付かされる事はなんだろう。 芸術監督 ヒロセガイより

飯川雄大

カメラのシャッターを長時間、開けたままにしたり、複数の画像を重ねあわせて現実の中に不思議の幻想を見せる写真家です。とはいえ、僕は、北野さんは探検家だと思っています。 東北の震災後、何も手につかない不安な日々のなか、始めたのが太陽と自分を撮る事だったそうです。 その後、アメリカの在外研修から戻り『光を集めるプロジェクト』を開始。僕の管理する廃墟マンションの屋上や全国の見晴らしで、冬至から夏至の間、長期露光をして採取したネガから光の軌跡を探していました。 太陽から光が地球に到着するのは8分19秒だそうです。 新作の新生児を撮り続けた『未来の他者』とは？ 僕達が今、見ている物は8分19秒前に生まれた光で照らされている。そんな事を知る展示になります。 芸術監督 ヒロセガイより

北野謙

広島の芸大で結成され、今は千葉をベースに活動している若手のアートコレクティブです。 若いといっても卒業から随分経っているのに、過激な振る舞いや発言を続けられるのは、彼らにシッカリとしたベースがあるからだと思います。 既に滞在制作を始めている彼らは、来て早々、屋上に登ってご近所さんに叱られていました。白いゴキブリを見つけてガラス瓶で飼ってみたり、東京とは思えない半分外のようなボロボロの古民家で生活をしながら裸で土壁などを解体したり、音楽をやったりと泥遊びをしている子供のようで可愛い４人組です。 芸術監督 ヒロセガイより

クサムラマッドラット

その場所の持つ性質と要素を利用し、迫力のある大きな造形物を置くことにより、静寂な空間をつくるアーティストです。 昨年のすみだ向島EXPOにも参加し、僕と同じ会場の庭の周辺を作品にしました。 ちょうど庭の外の街路灯に掛かっていた、北斎作『富嶽三十六景・相州七里濱』の解説パネルに合わせ、庭の塀を四角く切り取って額に見立てて、庭や部屋に北斎作品の風景をつくっていました。 塀の外側から見える北斎の風景と、内側から見る路地の風景、二つの風景を往復することができるこの作品のタイトルは『ウロボロスの庭』。 今回は、このまちにある空き家など、退廃的なイメージから循環する仕掛けをつくるといいます。ウロボロスの続編はあるかもしれない。 芸術監督 ヒロセガイより

田原唯之

北アイルランド在住で、世界各国のアーティストインレジデンス（AIR）に参加しているアーティストです。 以前、増山さんに京都から東京へ作品の運搬を引き受けた道中、増山さんと長く話をする機会を得ました。 僕が学生の頃、知っていた増山さんの作品のエピソードは、面白かったし、僕の活動は増山さんと同じくソーシャリー・エンゲイジド・アートじゃないかと言われたのも参考になりました。 もっとも驚いたのは吉祥寺のファミレスで、僕が非公開で運営する尼崎の廃墟マンションの名前を言い当てたこと。恐ろしく情報通なアーティストです。 今回は近作の、動物の毛を刈り、その動物のためにその毛でベストやマフラーなど編む作品を出品します。単純に面白いし、思いやりのある大好きな展示になりそうです。 芸術監督 ヒロセガイより

増山士郎

石灰や土を使って、平面や立体作品をつくるアーティストです。 かずこさんとの想い出は、奥能登の芸術祭でお手伝いした『サザエハウス』という作品です。 海岸沿いの役目を終えた舟小屋の中を螺旋のサザエの内部をイメージした真っ白な部屋にして、外壁は地元名産のサザエを住民の方達と集めて、埋め尽くしました。 その作品はとても評判となりましたが、会期後解体せざるを得なかったという結果が、僕が芸術祭の在り方を考える契機にもなりました。 今回は、僕が手がける元米屋の、建物が分割されたことで出現した部分に作品を作ります。ここには、下町の風景、家先の植物園が広がります。 芸術監督 ヒロセガイより